【理学療法士が教える】リハビリサマリーの正しい書き方とNG例まとめ|若手PT・老健スタッフ必見!

はじめに:そのサマリー、次の人に伝わっていますか?

リハビリサマリーを書く場面は多くあります。
老健からの在宅復帰、病院からの施設入所、訪問リハの導入時など——
この1枚に、その人の生活やリハの成果、今後のケアが詰まっているといっても過言ではありません。

しかし実際には、

  • 「何をどう書けばいいかわからない」
  • 「読み手が誰かわからず漠然と書いてしまう」
  • 「コピペっぽい内容になってしまう」

という声も多いのが実情です。

本記事では、現場で多くの後輩を指導してきた理学療法士の視点から、
リハビリサマリーの書き方・構成・NG例と改善方法までを解説します。


リハビリサマリーとは?目的と役割

✅ サマリーの目的は「情報を次に渡す」こと

リハビリサマリーは、

  • これまでのリハビリ内容
  • 利用者の生活状況・能力
  • 今後の支援に必要な情報
    簡潔かつ正確に伝えるための記録です。

つまり「この人のこと、わかった!」と思えるかどうかが重要です。


基本構成(老健・訪問リハ・退院時などの例)

施設や用途により若干異なりますが、基本的な流れは以下の通りです。


■ 基本構成例(老健→在宅復帰サマリー)

  1. 基本情報(氏名、年齢、要介護度、主な疾患)
  2. リハビリ実施期間・内容
  3. 身体機能・ADL・IADLの現状
  4. リハビリでの変化・達成した目標
  5. 今後の生活で必要な支援や課題
  6. 特記事項(疼痛、認知、家屋、家族支援など)

伝わるサマリーを書く3つのコツ

✅ ① 誰に読んでほしいのか、最初に決める

→ ケアマネ?訪問スタッフ?ご家族?「誰向けか」で言葉選びが変わる。

自分が書きたいことだけでは伝わりません。
相手が「この人の生活をイメージできる」と思えるかどうかを意識しましょう。

✅ ② 「生活」に即した記述にする

→「関節可動域」より「トイレ動作での痛み」など生活に直結する情報を意識。

✅ ③ 評価→解釈→対応がつながっているか

→ 例:バランス不安定 → 転倒歴あり → 支持具導入で改善、など因果関係が伝わる文脈にする


よくあるNG例と改善ポイント

NG例改善例
「可動域良好」だけで終わる「右股関節屈曲120°だが、疼痛により靴下が履きづらい」など、動作とつなげる
「特になし」が多すぎる「特になし」は本当にリスクがない時だけ。観察や意図を加える
「訓練を実施した」の羅列「何が課題で、何ができるようになったか」を軸に書く

若手PTへのアドバイス:上手なまとめ方の練習法

  • 実習中・初任者は「カンファレンスで話した内容」をサマリー風にまとめる練習をすると◎
  • 日報や引き継ぎメモを「5W1H」で振り返ってみる
  • 先輩や他職種が「読みやすい」と感じたサマリーを見本にする

まとめ:リハビリサマリーは“その人らしさ”をつなぐバトン

サマリーは単なる報告書ではなく、
その人の「生活のバトン」を次の支援者につなぐ大切な橋渡しです。

文書力は経験で磨かれます。
ぜひ今回のポイントを押さえて、伝わる・動ける・感謝されるサマリーを目指しましょう!


著者プロフィール

こうへい|理学療法士・運動器認定PT・主任

  • リハビリ歴9年(療養病院→急性期→老健)
  • 介護支援専門員/福祉住環境コーディネーター2級
  • 現在は老健で主任として勤務し、若手指導・研修資料作成も担当

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